スギ花粉・ダニに対する舌下免疫療法
- あかなべ・クリニック
- 6月13日
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アレルゲン免疫療法とは、病因アレルゲンを投与していくことにより、アレルゲンに暴露された場合に引き起こされる関連症状を緩和する治療法で、アレルギー疾患の自然経過を改善させることが可能な治療法です。現在はスギ花粉舌下錠(シダキュア)、ダニ舌下錠(ミティキュア)投与による減感作療法(アレルゲン免疫療法)が行われ、アレルギー症状改善と、対症療法である薬物の使用量の減少がみられています。
しかし一方で、この治療は治療期間が長い(おおよそ3〜5年は継続して施行)、対症療法のように即効性を期待して行うものではない。シダキュアに関してはスギ花粉飛散期から投与開始できない、といった特徴を持ち合わせています。また、副作用として投与開始初期に投与部位(口腔内)に関連した症状発現も時にみられ、またアナフィラキシー等が発症する可能性もあります。
シダキュアおよびミティキュア舌下錠は5才以上の小児から適応となっています。
シダキュアによる治療の対象は「スギ花粉症」の患者さんです。
ミティキュアによる治療の対象は「ダニ、ハウスダストのアレルギー」の患者さんです。
毎年スギ花粉飛散期に、くしゃみ、鼻水、鼻閉、鼻の痒みなどの典型的鼻症状を有し、時として目の痒みなどの眼症状を伴う場合、スギ花粉症である可能性が高くなります。
ダニ、ハウスダストは通年性に症状が出ますが、主に秋に強く出ると言われています。
対象患者さん
⭕️スギ花粉症/ダニアレルギーの方(成人および5才以上の小児)
治療を受けられない患者さん
⚪︎病因アレルギーがスギ花粉またはダニ・HDではない患者さん。
⚪︎重症の気管支喘息の患者さん(本剤の投与により喘息発作を誘発するおそれがある為)
⚪︎悪性腫瘍、自己免疫疾患、免疫不全症等の重度の方
治療に際し注意が必要な患者さん
⚪︎本剤の投与、またはアレルゲンエキスによる診断・治療、あるいはスギ花粉を含む食品の摂取等によりアレルギー症状を発現したことのある患者さん。
⚪︎気管支喘息をお持ちの方。
⚪︎高齢者さん(概ね65才以上の高齢者に対する使用経験が乏しい為)
⚪︎妊婦、産婦、授乳婦さん。
⚪︎非選択的β遮断薬服用の患者さん。(本剤が投与された時に、本剤による反応が強く現れる事がある為)
⚪︎全身性ステロイド薬投与の患者さん。
⚪︎スギ花粉、ダニ以外の抗原に対しても反応性が高い(特異的IgE抗原値が高い)患者さん。
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